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EMBRACE OF LIGHT

EMBRACE OF LIGHT

第10話

??? ???




??? : 2代目、出撃の準備が整いました。

Cチャイルド : ご苦労さん・・・あぁ、今回は僕とセストも出るから。留守番よろしく。

??? : な、何ですと!?

??? : あらあらぁ?出るにはまだ早いんじゃないかしらぁ?

Cチャイルド : いや、出るよ。そろそろ挨拶しなくちゃ・・・コンダクターとしてね。



第10話
「封印された過去の汚点」




天山の弟・・・未剣は俺に話した事をそっくりそのまま全員に話した。アミィもベルも驚いてる。

ベル  : 一般市民も・・・殺したの?

アミィ : う・・・ウソでしょ?

未剣  : 残念だけどお嬢さん方・・・全て事実さ。そうだろ?旦那、アニキ・・・・

シリ&天: ・・・・・。

・・・お決まりのダンマリだよ。

由紀  : ちゃんと映像としても残ってるのよ。認めたくないのは判るけど・・・事実なの。

ベル  : ちょ、ちょっと!アンタどっちの味方なのよ!!幼馴染はHOPESなんでしょ!?

由紀  : だから辞めさせようとしてんでしょ!他人が口出さないで!!

ベル  : なっ!?

ベルは言葉をつまらせた。そして━━━

シリウス: ・・・・事実だ。

シリウスがついに認めた。ベルもアミィも驚きを隠せなかった。

シリウス: だが未剣・・・当時は俺達も知らなかったんだ。上層部で綺麗に隠蔽されていてな。

未剣  : そらそうだろうよ。なんせ、アニキ達は別の場所で任務中。いや、それ以前に・・・この公開処刑の目的は別にあったからな。

天山  : 公開処刑の・・・別の目的?

天山が食いついた。未剣はとんでもない事実を口にした。

未剣  : この処刑の目的・・・それはあるシステムの人体実験の為なんだよ。

全員が凍りついた。

ベル  : じ・・・人体実験!?

未剣  : モチロン、新カオス軍へのみせしめって意味もあったさ。だがな・・・その裏ではマリオネットの起動テストも行われていた。

シリウス: ・・・・コードネームは?

未剣  : コード・エンペラー

ベル  : こ・・・コード・エンペラー!?

ベルが大きな反応を見せた。

アミィ : ベルお姉ちゃん、知ってるの?

ベル  : え、えぇ。お父さんのデータ整理をしてた時にチラッとだけ。で、でもあれって確か開発中止になったんじゃなかったの!?

・・・開発中止のマリオネット。

未剣  : 公式ではな。だが実際は出来上がってたのさ。とんでもない代物を積んでな。

天山  : それが・・・人体実験を必要としたシステムですか?

未剣  : あぁ、そうさ。ブースト・ラップ・システム。機体の性能を一時的に飛躍させるシステムだ。

シリウス: 機体の性能を・・・・!? 飛鳥!あの時のシステムは!?

飛鳥は俯きながら口にした。

飛鳥  : ウルフは・・・BLSって言ってた。

ベル  : B・・・L・・・S。・・・・!!

アミィ : ・・・ぐ、偶然でしょ!?

BLS=Boost Lap System。全員の考えは一致した。

未剣  : 偶然なんかじゃないさ。コード・エンペラーに載せてた人格コンピュータの名前は・・・ウルフなんだからな。

偶然という考えは、今の未剣の発言で確信へと変わった。

シリウス: し、しかし何故そんなシステムがコード・ウルフに?

ベル  : そ、それに・・・生身の身体使ってまで実験だなんて、どういう事よ?

天山  : そこら辺はまだハッキリとしませんが、判る事はありますね。

飛鳥  : コード・ウルフは・・・そのシステムの為に作られた。システム発動と連動して外部フレームが勝手に外れたのが証拠だな。

アミィ : ・・・駄作なんかじゃなかったんだね。

未剣  : そういう事だ。

由紀  : さぁ、わかったんなら飛鳥を返してちょうだい!

全員黙ってしまった。元々軍属ではなかった飛鳥に最悪な機体を任せてしまったからだ。だが飛鳥は━━━

飛鳥  : 悪いけど・・・俺は残るよ。

飛鳥の発言に全員がどよめいた。

由紀  : な、何でよ!?自分が使ってるロボットがどれだけ危険なのか、判ったでしょ!?

飛鳥  : でもそれは使い方次第だろ!?・・・俺は上手く使ってみせる。

シリウス: しかし飛鳥・・・コックピットで感じたんだろ?あれは━━━

飛鳥  : 確かにヤバいって思ったけどよ・・・それでも残る。

由紀  : だから何でよ!?

飛鳥  : ・・・俺がこの世界に来たのは、何かしら意味があるような気がする。ウルフと会ったのも・・・

ベル  : ・・・・・。

飛鳥  : それに・・・俺、もう決めたんだ。ワルモンにならなくていい奴を連れ戻すって。

・・・・セスト。

未剣  : ・・・・説得の無駄みたいだぁよ、ハニー。

由紀  : ・・・・!!

普段のおちゃらけた言動に戻った未剣。飛鳥説得を諦めたようだ。

━━━突然、敵機の存在を知らせる警報が鳴り響いた。アミィはすぐさま反応してトレースを開始する。

アミィ : ろ、6時の方向に敵機確認!識別コード・・・・う、ウィザードと未確認機体の2機、その他量産型多数!!

言ってるそばから!!

飛鳥は格納庫に向かって走り始めた。それを由紀が両手を広げて制止する。

由紀  : 飛鳥!アンタが出る事ないんだって!!

飛鳥  : ・・・かもしんねぇけど、俺が出れば状況が変わるかもしんねぇだろ!!

飛鳥は振り切り、走り去った。ベルと天山も続いて走り去る。

由紀  : ・・・・・何でよ。

未剣  : 安心しな。・・・俺も行ってやる。

未剣はゆっくりと歩き出した。取り残された由紀を見て、シリウスも戦闘態勢に入る




Eエリア 市街地




飛鳥  : こ、こんな所で戦っていいのかよ。

天山  : [仕方ありません。相手を遠ざけながら迎撃していきましょう。]

ベル  : [SMSなら何とかなるかも知れないけど・・・]

飛鳥  : 向こうも同じシステムあるしなぁ。ベル・・・セストは任せてもいいか?

ベル  : [了解。任せて!!]

・・・・・来た!!

コード・ウィザードと未確認機体を戦闘にマリオネットの大群が現れた。とんでもない数だ。恐らく100は越えているだろう。

ウィザードの隣に居る奴・・・何だ?黒い鎧に・・・ピエロの仮面付けてる。

??? : [はじめまして・・・だよね?コード・ウルフ君。]

・・・男の声?あの機体からか!

飛鳥  : お前誰だ!?

??? : [酷いなぁwこれでも有名人だよ、僕は。]

天山  : [あの機体・・・面影は残ってないが・・・まさか!!]

??? : [キミだよね?僕のお父さん殺ったの。]

・・・・お父さん?・・・・まさか!!

Cチャイルド : 僕はカオス チャイルド。この世界のコンダクターとでも言うべきかな?以後お見知りおきを・・・

Cチャイルドの乗る機体が優雅に一礼をした。



続く


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